何度目かではない、APPLESEEDとEX MACHINAを見た。

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APPLESEED(2004年 日本 監督/荒牧伸志)
今見ると、でもなくて、当時でもこのくらいのセルルックは珍しくなくて、モーションキャプチャーも特殊なことじゃなかった。にもかかわらず、この二つを強力にピックアップして宣伝していたように思います。で、見に行かなかったんですが。


今見ると、この二つの部分は特殊なことでなかったとしても、やはり技術的には過渡期でそこをあれこれ指摘しても仕方なく、それよりもその技術の中でも例えば表情などはもう少しやりようがあったのではないかと思いました。やれと言われたらきついですが。
物語は原作をものすごく分かりやすくかみ砕いて表現していると思います。かみ砕き過ぎた部分はあるかもしれません。あれ?こんな話だったっけ?と思う感覚はありました。
気になった部分はもう一つあります。演出です。人が動くときは予備動作が必ずあり、それを見抜くことができれば次にどんな動きをするのかある程度予測できるのです。これを応用したのが巨人の星の大リーグボール一号です。で、これがAPPLESEEDの中の演出でもあるのです。そんなに閉じた目に寄ったら必ず急に見開いてアクションするじゃんと思うとその通りのことが起きる。どこかで見たことのあるようなシーンが何度も登場するとか。オマージュというより、真似した感が漂ってしまっている。ダメっていうより、なぜだ!って思ってしまった。アクションのためのアクションの印象が大変強く感じました。確かにアクションが描きやすい原作ではあるものの、アップルシードはアクションをメインに据える作品ではないように思います。でないと原作のおびただしい欄外の書き込みはインクの染みでしかないです。
全体的にはお金がかかっているのにまるでハリウッドの80年代低予算映画のような雰囲気になってしまっていました。
続いて続編のEX MACHINA -エクスマキナ-を見ました。

EX MACHINA -エクスマキナ-(EX MACHINA/APPLESEED SAGA: EX MACHINA)(2007年 日本 監督/荒牧伸志)
キャラクターの質感が変わりました。こっちの方が映像全体とのなじみはいいですね。三年経って続編のキャラクターの質感を変えたのはまだまだ試行錯誤しているんだなと思いました。背景はほぼ変化が無いのでね。物語はほぼオリジナルで、原作はオリンポスの社会を主人公を通して描くようなシリアスなストーリーなんだが、これは主人公たちの個人的な物語を強調している。その方が分かりやすいからね。
もう一つ分かりやすいのがアクションシーンが始まるきっかけがほぼ音楽なのだ。かっこいい曲が始まるとアクションシーンになる。物語から切り分けられているように感じました。

どちらの映画も客にわかりやすくしよう、見やすくしようとすごくがんばっている感じがします。一々比較することもないですけど、GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊と随分と差がついてしまったなと。3DCGの活用の仕方とか、アクションシーン、音楽の使いかたなど、原作者が同じで、ジャンルも同じなのであっちは屁理屈ばっかりで分かりづらくて退屈な部分も多いのに、なんでこうなっちゃうのかなとやらなくてもいい比較をしてしまう。

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