何度目かの大怪獣ガメラを見た。

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大怪獣ガメラ(1965年 日本 監督/湯浅憲明)

ガメラは子どもの味方で映画自体も子供向けと割り切ったので、却って作りこみやすくなったんじゃないかな。子供向けの映画に大人向けのシリアスな要素を入れると映画がリッチに見える。外国人っぽい人を絡めて作品世界を広げる作戦はこの頃から定番なんだね。モスラなどでもあるか。

ガメラがどこへ行こうとしているか行動の理由が端的に話されているのも現実感が増す。要は腹が減ったらから飯を喰いに行くのだが、こういうのってどんどんリアルになっていくつもりだったゴジラでは全然触れられないことで、あっちは超絶無敵で絶対神で無ければならないことも無いと思うけど、そうだったので、模型としてのディティールの作りこみとは裏腹にどんどんファンタジーになっていった。ガメラはその後戦う怪獣も含めて荒唐無稽になるんだけど、それでも物語のリアリティレベルがバランスよく感じた。

この映画ではガメラを生物として認識させようとたくさん演出している。僕はこの映画を平成ガメラシリーズの後に見たので、これは意外だった。ガメラはゴジラの二番煎じとして企画されたのに大映制作陣の自分達なら怪獣をどのように映画にするか独自性がきちんと出てたんだ。

怪獣に対する大人と子どもの対応の仕方も、大きな脅威に対する見方の差として描いていて興味深かった。

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