InDesignから全ページJPEG書き出し。

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久しぶりに電子本を作っていて、今回は電子本と印刷本を同時に制作したかったのでInDesignで作業しました。慣れないソフトでもあり、個人的に大変でした。全ページJPEG画像で書き出したい状況になり、調べると1ページずつしかできないなどと地獄が待っていることが書いてあったので、覚悟を決めるしかないのかと思いましたら、できました。IT革命です。(コンピュータで自動的にできたりすることをIT革命と勝手に呼んでいます。実際革命でも何でもないです。)書き出しで「すべて」にチェックを入れるだけです。なんでしたら任意のページを指定できます。さらには見開きまで指定できます。今回は一ページごとにしたいので「ページ」にチェックします。

ここで気にするのはページ数ではなく解像度です。デフォルト、若しくは指定しないと72dpiになっています。今回はA4判なので、72cpiのA4判が出来上がってしまうのです。映像制作に慣れ切っていると解像度指定がpixelではないのがとても気になります。まぁ、わからないですよね。考え方を切り替えて印刷物の制作として単位をメートル法で考えましょう。pixelでの表示はされませんが300dpiのA4判を作ります。何度か書いていますけど、印刷するなら300dpiではなく240dpiでも問題ないです。しかし、今回はアマゾンでのKDPを利用した電子本です。アマゾンはとにかく融通が利かないので(融通が利かないからこその単純化したサービスで僕らも使えるのです。)仕様をそのまま飲まないと進みません。

電子本はこの後Kindle Comic Creator(以下、KCC)で連番画像を読み込みます。

作業はKCCの手順に従って進めます。フォーマットはEPUBですが、アマゾンの独自仕様のmobiというEPUBなので、アマゾン謹製のツールで作業するのが堅いと思います。ここまでは電子本の話。

同時にペーパーバック版も作りたかったのでInDesignで作業していたのです。こちらにはPDFで入稿します。これのチェックで何度も引っ掛かりました。もう全然わからなくて。で、塗り足しが足りなかったようで、僕の大きな勘違いもあって三回くらい作り直しました。普通は印刷物で塗り足しはトンボがついていれば問題ないのです。ところが、アマゾンのチェックではじゃなくてそもそもトンボはこちらでつけなくてよいのです。そしてPDF入稿が初めてだったので塗り足し範囲までPDF化する指定を入れていなかったのです。これが一回目。

で次にミスったのは塗り足しデータがなかったことです。印刷物の場合は先に書いたようにトンボがあればそこまでが塗り足しになるのです。データは紙に印刷されるので仕上がりからトンボまでの空間が塗り足しなのです。大昔ならともかく今は3mmもはみ出さなくても実際は問題がないです。判ずれした印刷物など見たことがあるでしょうか。つまりほぼずれていないのです。ですので、塗り足しに2mmでも1mmでもはみ出ていれば構わないんです。あんまりきれいじゃないですが、どうしても塗り足し3mmに足りない図版などあると思います。僕はあります。しかし、アマゾンは許しません。なぜならば塗り足し3mmの空間にデータがないからです。ないと無になります。急に哲学的ですが、印刷の場合は紙などに定着させるために何もない空(くう)であることはないです。ですがアマゾンはコンピュータでチェックしているようなのでそこにデータがなければ無いのです。もはや何を言っているのか自分でもわかりませんが、とにかく塗り足したかったらそこに何でもいいから塗りつぶしの平面を入れろということです。これはマスターページの最下層のレイヤーを新たに作ってそこに白ベタを塗り足しまで広げた平面を置きました。これで全ページに一回の作業で塗り足しを作ることができます。IT革命です。
実際には塗り足しがないページをチェックして全部ではないけど手作業で修正しました。まぁ大変ではありますが、できない作業ではないのでこつこつ進めました。

それでは三つ目です。これまで塗り足しは3mmと書いていましたが、アマゾンKDPでは3.2mmなのです。謎ですが、単位がインチで揃えられているようで、0.2mm足りませんでした。二つ目までは正直僕しかやらないようなミスですが、塗り足しのサイズが3.2mmなのは間違える可能性があると思います。単純にInDesignの塗り足しの設定を変えれば済みますが、先ほどの塗り足しにデータがない状態だとまた帰ってきてしまうので、ここはマスターページで平面を広げただけでもよいと思います。塗り足しの一番外の0.2mmです。ここまでずれて裁断されることは無いです。やっとチェックを通って販売されました。(今日現在まだ売られてはいません。電子本は発売中です。)

修正の内容自体は大したことはないものの、プレビューの生成にとても時間がかかることと、チェックの連絡が当然ですが即座に来ることはないので、修正の回数があるととても時間を取られるのです。

今回はかなりアドリブで積み上げるように制作してしまったので計画性がなく、トラブルが起きやすい状態ではありました。反省です。何事も計画大切です。

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