何度目かの、座頭市二段斬りを見た。

座頭市二段斬り (英題/zatoichi’s revenge 監督/井上昭 1965年 日本)
第十作目
そういえば行くとこ行くとこ市にとって懐かしいアイテムや人が登場する。映画で描かれる場所はほぼ市は行ったことのある場所なのだ。たどり着いた土地のやくざにめくら、どめくら、など酷い言われようなのも全く変わっていない。悪い奴は差別し、良い人は気にしない。

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何度目かの座頭市関所破りを見た。

座頭市関所破り (英題/adventues of zatoichi 監督/安田公義 1964年 日本)
座頭市シリーズ第九作目。表題のように関所破りの話です。関所を通過するのではなく、結果的に関所を壊す話です。
今回も物語とはほぼ無関係の部分で子どもたちとのからみが出てくる。どこに関係があるかと言うと市が盲目であることを説明するシーンで登場だ。だからほぼ冒頭で子供とのふれあいのような感じでワンシーンがある。一作目から子どもは市と何らかの関りを持つんだけど、主人公である市がハンディキャップや前科などがあっても大人としての立場を取らなくてはならない状況を作り出してるところが興味深いと思った。市は怒りを持ってもわがままを言わないんだよね。

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何度目かの、座頭市血笑旅を見た。

座頭市血笑旅 (英題/foght, zatoichi, fight 監督/三隅研次 1964年 日本)
座頭市シリーズ第八作目。監督は一作目と同じ三隅研次です。
盲目でも強すぎる市に更なる足かせをつけるために赤ん坊を抱かせ、更にスリの女も付きまといます。この三人はストーリーを通じて疑似家族になっていくのですが、2018年の是枝裕和監督による万引き家族状態です。
旅をするあんまの集団が最初と中、結末に登場し、それが市の心情を表しています。ここはすごくいい。

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何度目かの、座頭市あばれ凧を見た。

座頭市あばれ凧 (英題/zatoichi`s flashing sword 監督/池広一夫 1964年 日本)
すっかりキャラクター化された座頭市で、ここで楽しむのは痛快ヒーローものだ。絵作りが当時の流行っぽい感じになっている。見せたいものを正面から撮るような。
髪の毛は五分刈りを放っておいたら伸びたような感じ。太ってきたのも何となく見てわかるくらいになっている。徐々に良くいわれる勝新の演じる座頭市の見た目が完成しつつあるといったようなものか。
行きずりの子どもに飴を買ってやるシーンは子供は一人だと思っていたら十人くらいいたというオチを子どもを全く見せずにすませ、そのあとに続く市が穴に落ちるシーンで子どもを全員見せているが、後半への布石なんだろうね。穴に落ちるシーンは雑なカット割りと演技でダメっぽい感じがする。なんでこんなのにしたんだろう。
水中戦の描き方が良かった。今ならもっと直接水の中の戦闘を描けるだろうが、そこをややファンタジックというか、カットを多めに割って何を見せたいか、ここでは市の無敵ぶりを描いている。
寡黙で影を背負った感じはどんどん消えていき、割としゃべり、説明的な傾向がある。皆の知る、こうあってほしい座頭市の姿と映画じゃないかと思った。そういうのがこの先も続く。
映画の最後は一件が片付いて女を置いてまたどこ多へ旅立つこれまでとは違い、敵を倒したところで幕になっている。凄惨さが出てこれもいいなと思いました。

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何度目かの、座頭市千両首を見た。

座頭市千両首(英題/zatoichi_and the chest of gold 監督/池広一夫 1964年 日本) 
座頭市シリーズ第六作。これまでとは全く違う作風だ。演劇的なオープニングから、東映の時代劇のような雰囲気のカメラアングルやカット割りだ。話はこれまでと同じく、立ち寄った町で騒動に巻き込まれやくざとの抗争に関わることになる。ヒロインが登場するが徐々に出てくるだけのようになってるね。そのヒロインは三作目の新・座頭市と同じ坪内ミキ子だ。シリーズ作で同じ役者が違う役を演じることはこの頃は気にしていないようで、敵役も続・座頭市物語で市の兄を演じた城健三朗(若山富三郎)だ。実際にも勝新の兄で、役回りとしては重要ではないかと思うんだけど、あっさり普通の殺し屋として出演している。
この映画から市の仕込み杖がルパン三世にでてくる石川五右衛門の斬鉄剣のように何でも切れるようになってくる。斬鉄剣とは方向性が反対であちらはより硬いもの、大きなものを切るがこちらはよりソフトなもの、小さなものを切ることが多い。面白いかどうかに関しては、既に一作目の宿敵との恋愛まで昇華した友情や市のこれは後になって分かるが若くして達観し謎めいた雰囲気、それに伴う独特の作品世界などは失われているので、それを望むなら二作目以降は見る必要がなく、公開される時代を受け止め座頭市物語として昇華し、勝新太郎が座頭市を自分自身として再構築していく様を楽しめるなら以降続くシリーズも楽しめると思う。一作ごとの映画の作りとしてはプラグラムピクチャとして凄く楽しめる。外さないマンネリだろうか。
市の髪型はしばらく落ち着いている。

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何度目かの、座頭市喧嘩旅を見た。

座頭市喧嘩旅(英題/ZATOICHI ON THE ROAD 監督/安田公義 1963年 日本)
座頭市シリーズ第五作。全体の物語は前作と同じだ。道中で知り合った若い女との交流でほぼ一方的に女が市に片思いし、映画のラストで市が一方的に黙って分かれる。その間に立ち寄った町のやくざの抗争を対抗する組の全滅を持って解決する。
この映画から初めて夜中の対決で「検討つけて切って来な」と、賭場でイカサマを見抜くシーンが登場する。
ヒロインが藤村志保で当たり前なんだけど若い。僕はかなり高齢の藤村志保さんしか映画で見たことが無いので新鮮だ。年齢は確かに感じるが大きく印象が変わることが無いのは凄いなと思った。今の若手の女優もずっと同じ役ではなく、年と取れば藤村志保のようになっていくのだろうな。
市の髪は微妙に伸びていて、坊主と呼ぶには無理があるくらいになっている。

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何度目かの、座頭市兇状旅を見た。

座頭市兇状旅(英題/ZATOICHI THE FUGITIVE 監督/田中徳三 1963年 日本)
座頭市シリーズ第四作。市の個人情報の披露は無く、旅の行きずりで知り合う人と、立ち寄った街のやくざとの抗争が主な物語の構造になっている。知り合う人は若い女だ。敵役になる殺し屋は登場するが一作目の平手造酒のような恋愛のような友情どころか親しみを持つことすらなく単に敵なだけである。より座頭市の物語としてのフォーマットが出来上がっていている。
市の髪は若干伸びている。

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何度目かの、新・座頭市物語を見た。

新・座頭市物語(英題/New Tale of Zatoichi 監督/田中徳三 1963年 日本)
続・座頭市物語の感想で若いころの喧嘩友達に会うと書いていたが、それはこの新・座頭市だった。続けてみると混ざってしまう。それくらい物語の構成が似ている。三作目にして既にパーフェクトなマンネリを作り出している。このマンネリは二作目からのもので一作目は違う。一作目では市の個人情報(過去ではなく)がそれほど披露されないのだ。旅での出会い、差別からの暴力被害、賭場、個人情報の公開、市が引くことでの女の失恋、耐え忍んだ頂点での怒りのクライマックス。暴力で解決したことにより居場所を無くし、立ち去る。大体こんな要素を組み替えて座頭市の映画は作られている。毎回同じともいえるが、この同じことを退屈に感じさせないことがこのシリーズの面白さだ。
このシーンは弥生が市に求婚する場面で、弥生のいる位置が分からないので反対向いて手をついている。これを何も注意せず、市もこれまでの感じだと人のいる位置は気配でわかるはずなのにそれができていないことで気持ちを表している。と思いたいが、 続きを読む

何度目かの、続・座頭市物語を見た。

続・座頭市物語(英題/The Return of Zatoichi  監督/森一生 1962年 日本)
座頭市シリーズの二作目だ。一作目から時系列としても連続している。今作で市の個人情報の一部が公開される。兄が一人おり、その兄と女の取り合いをし、取られた市は兄の右腕を切り落としている。それと前回の飯岡と繁造一家の抗争も物語の発端になってはいるが、あれこれ詰め込み過ぎてもったいない感じになっている。兄弟の話は今じゃなくてもいいのに。勝新太郎と若山富三郎の実の兄弟対決は当時でもそんなに重要じゃなかったのかな?調べてみると若山富三郎は当時大映に移籍したばかりであまり人気もあるとは言えなかったらしい。この辺りは当時の勢いとか熱みたいなものを知らないと実感しずらいね。劇中としても兄弟の確執を描くことに関してはやや粗さを感じる。個人情報と言えば、若いころの喧嘩友達にも合うが、なんか途中でフェードアウトしちゃう。もっとこの人を絡めていけばいいのに凄くあっさりしている。もったいないと雑が交錯する映画なのに最低限の面白さは維持していると思う。今作までは刀で切った音はついていなく、その割には音楽が叙情的。 続きを読む

何度目かの座頭市物語を見た。

座頭市物語(英題/The Tale of Zatoichi)監督/三隅研次 1952年 日本

本当に何度も見ているので目が飽きてきているというか、慣れてしまっているので何一つ驚きも何もないのだが、マンネリ化しても面白く感じる。何が起きるか分からないことだけを優れた物事として捉えるのではなく、わかっていることが起きるタイミングの心地よさを楽しめると何度見ても面白い。座頭市シリーズはこの、分かっていることが起きるタイミングのバランスが良いと思う。
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