カムイ伝講義を読んだのだが。

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カムイ伝をネタに江戸時代の主に農民と穢多、非人の生活を勉強する、大学の講義録を元に構成された本だ。
先に書いておくと、自分が読書が得意ではないからだと思いたいが、大変読みづらい文章が続く。こう思うのは文章にリズム、抑揚が無いからではないか。全体としては江戸時代の農民の生活について知るきっかけくらいにはなるのではと思ったが、その動機付けならば、カムイ伝そのもののほうが力があるな。ああ、どうしよう。

そもそも手に取った理由は、江戸時代の農民の生活に興味があったからだ。江戸時代の文化といえば毎度の町人か武士の話ばかりで、もしかすると当時の日本の人口の全部を占めているようにみえる比率でいたはずの、農民についてはまず触れられることはなかったので、余計に気になっていたのだ。小中学生の頃の多数の友人たちの「世が世ならばうちは武士」発言も羨ましかった。ウチは「世が世であろうが農民」だったからだ。もしかしたら穢多だったかもしれない。ちなみに僕の今の仕事は「世が世ならば非人」の仕事だ。と書くと物凄く被差別感がするが、非人の仕事はかなり広く、単純に最下層で差別されているだけではなかったのだ。その当たりは自分で調べてみよう。江戸の農民の生活についての興味は何十年も前からあり、その割には積極的に調べることもなかったな。まあ、そんな程度の興味だ。

で、カムイ伝自体は以前から知っているし、読んでいる。

内容も大変興味深いが、漫画の構造と言うか演出としても学ぶことろがたくさんあり、何より面白いので未読の人は是非読もう。

積極的ではなかったが、それなりに気にしていると情報は見につくもので、「世が世ならばうちは武士」と言っていたうちの殆どが、山へ逃げ込んだ武士で、武士かもしれないが、武士である意味は対してなかった。こっちは結局「世が世であろうが農民」なので、答えとしては「羨ましくなく、どうでもいい」だ。ヒマなので昔を思い出したりしていると、そういえば農民について調べてみていたことも思い出し、図書館などをうろついてみると、関する本はありそうで無く、でもそれなりに研究されている人はいて、それと見方を変えると文献は出てくるのだった。例えは神社や革製品などの歴史を辿ると興味深くなのではないかな。船乗りとかな。

それでも直球で農民を知りたいと思ってしまうので、まあ、探すのですよ。やっぱりあんまり無い中で目に付いたのが、この講義録だったのです。カムイ伝をネタにしたければならないくらいに、江戸時代の農民の生活は研究されていないんだなと思うか、研究の元ネタとして使われるくらいカムイ伝が良くできているととるか。うーん。

まとめとしては、カムイ伝講義を購入するお金があるならば、カムイ伝を購入したほうが面白くてためになることが分かった。何故ならば、カムイ伝講義はカムイ伝を読んで書かれているので、結局カムイ伝を知らなければ理解しづらいが、カムイ伝だけ読んでもカムイ伝講義で書かれている事のいくつかは知ることや感想を持つことが出来、残りの部分は自ら興味を持って調べようと云う気にさせてくれるからだ。
しまった、何故かと問うならばと書くのを忘れてしまった。

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