奇妙な味編の表紙を担当しました。

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栗林元さんの小説『栗林元作品集 奇妙な味編 盂蘭盆会●●●参り 他二編』の表紙を担当しました。
様々な作者の体験から作られた物語です。怖い話が苦手なので、頑張って読みました。

それではメイキングです。
まず、読みます。今回も読まないと提灯とか描きそうだったので、自分の想像力の貧困さを反省しつつ読みます。
読みながらデザインを考えます。リクエストとしてイメージ的なものが良いとのことだったので、今回は写真を組み合わせることと、タイポグラフィを意識して作ろうと考えていました。
考えたところで、イメージ画像用の写真を撮りに行きました。きちんとしたレイアウトは考えず、一応Kindleの標準比率になっている1:1.6を気にしながら撮ります。そのまま使うか合成するか特に考えずに撮ってましたが、そもそもカメラが寄れないことが残念でそのことをどうするかが撮影中は困りまして。まずお寺を撮って、これで何とかならんかと想定しまして、それとは無関係に別な作業をします。
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タイトル文字については筆で書いてみようと思っていくつか書いてみると、蘭が泥臭い感じになるか目立ってしまうので、既存のフォントで組むことにしました。単に組むだけではなんですので、画像に近いエッジになるようにぼかしをかけてからレベル補正で太さを調整しています。
などとやっていると、それでも物語を少しでも直接的に表現するものがあったほうが良くないかなと思いつつ、別件で出かけた足で病院を撮りました。病院の外観は普通の建物で、病院をわざわざ撮らなくてもいいんじゃ無いかと思ったが、もう撮っちゃったよ。
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素材を揃えたので紙面に並べます。今回は1600 x 2400 pixelです。実は並べる前に物語を直接表現するものを先に作っています。撮ってきた建物を組み合わせます。色を調整してレイアウトします。
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別で作った素材をレイアウトします。水に使った感じを多少でも出したかったので、Photoshopのプラグインで少し変形させています。

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紙面のほうでも素材を組み合わせます。寺の屋根です。タイトルの奇妙なを表現する為に奇妙にしました。ただ左右を逆にしているだけです。もっと変形させたほうが良かったかな。色は少しアンバーっぽい色を乗せています。ただ乗せてもこのようにはならないので、適当にマスクで調子を付けます。
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実際の作業は屋根もビルも別の画像として一旦作ったものを配置しています。

タイトル、屋根、建物の組み合わせと三つが積まれた様にしているのは、三本の小説がまとまっているからで、まとまりに見えるようになんとなく連続するように重なっています。
ということで、作者名を入れて一旦完成です。
その後のやり取りでタイトルの単語のウェイトを変えています。このあたりは試行錯誤しました。
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ルビを入れ、
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ルビの位置を変更し
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単語のバランスを変えています。色を変えたのは青より赤といわれたものの、赤色は血の色で怖い感じとともに元気な感じも出てしまうため、プールの入りすぎたときの唇の色を思い出し、紫にしました。
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完成はこちら。
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