ある殺し屋(仮題)のスケッチ

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暗殺会社の社員Aが今月もノルマを達成できず、月末の会議の時間も過ぎても帰社せずに夜の街を歩いている。憔悴した表情の割にはコンビニでビールとヤキトリを買って歩きながら食べている。スマホが鳴り、テキストコミュニケーションツールで会社からメッセージが送られてきた。
「三か月連続でノルマを達成できませんでした。これよりペナルティの殺し屋を送ります。」

ペナルティの殺し屋が電送されて来る。
どういいう事か、独り言で文句を言い続けている。
「なんだよここ」「これから飲みに行くとこだったんだけどな」「今日やるのは誰なんだよ」
殺し屋もコンビニでビールと肴を適当に買って、路上で食べだす。
歩きながら目標を空中モニターで確認する。
目標のサラリーマンを確認したら、まだ残るビールを飲みながら殺人光線銃を撃ちだす。
逃げるA
躊躇なく打ち続ける殺し屋。しかし、当たらない。
殺し屋は弾きれになり、辺りを見回す。
自販機を見つけて近寄り、商品選択ボタンを一定の法則で押すと缶ジュースが二本出てきて、銃に注いで振ると再びAに向かって撃ちだした。Aも時折撃ち返すが殺し屋には効果がなかった。ただた逃げるA。
Aは目についたビルの非常階段を登る。たまたまドアの空いているフロアに入り、隠れるところを探す。
見失った殺し屋は慌てることなく歩いてAのいるライブハウスまで歩いて来る。GPSでAの位置がわかるのだ。しかし、殺し屋はGPS端末を見ることはなかった。
ライブハウスにやって来る殺し屋。
あっさりAは見つかり、ついに腕を撃たれ、脚を撃たれる。それでも床を這って逃げようとする。
絶体絶命のその時に、地下鉄内で目が覚めるA。
Aは夢だったことにほっとして地下鉄を降りると、手には光線銃を持っていた。ホームの向かいには殺し屋がいた。

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