木造獅子頭

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岐阜県指定重要文化財 昭和47年(1972)3月17日指定
岐阜県岐阜市にある諏訪神社《すわじんじゃ》に伝わる獅子頭《ししがしら》。
サイズは幅35.5cm、高さ21.5cm、奥行41cm。耳は差込み式。写真から観察した範囲では彫が深くてディティールがシンプルな造形。
経年劣化や保管状況などの問題で漆が剥がれ、耳、顔の右下部など欠損している。
顎と舌がワンピースになっていて、舌の裏の窪んだ部分に朱で銘文が書いてある。元々黒漆《くろうるし》を塗り、その上に銘文が書かれていたらしい。判読できる範囲は次のとおり。

□□□(みのの)くに□□□をり[ ]
ひののこうほりとのやしろのしし也
嘉元四年七月[ ]

[ ]は不明。
「ひののこう」とは諏訪神社のある日野郷だが、「ほりとのやしろ」がこの獅子頭を所蔵している諏訪神社なのかは不明。
作られた時代は銘文の嘉元四年七月から鎌倉時代末期と想定され、岐阜県内では最古の獅子頭である。

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参考資料
岐阜県の文化財図録(1978年3月)
岐阜県教育委員会

岐阜市の文化財(1994年3月)
岐阜市教育委員会

岐阜市史 史料編 考古・文化財(1979年3月)
岐阜市

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