残念な視察から仕事の依頼があった件。

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かなり昔の話。
地方の大型スーパーの広報部からあった依頼。一店舗だけだが駅前に小規模な百貨店を持ち、地域に十店舗以上のスーパーを展開する地方のイトーヨーカドーみたいなところだ。
広告は日本の地方なのにお歳暮のカタログの表紙に毎回西洋人をモデルにして写真を撮っているような感じだ。これを踏まえた広報部です。
その広報部長たちがアメリカのスーパーを視察してきた。そのスーパーのロゴタイプが壁面にあったので写真を撮ってきた。これを基にしてうちのスーパーのロゴを作ってくれ。という依頼がありました。

どこが変かというと、基にするというのはそのロゴタイプそっくりにしてほしいという意味。例えばMETALLICAのロゴタイプのフォーマットでappleという文字列をそっくりに作ってほしいみたいなことだ。もう一点は写真だ。壁に立体的に作った文字、中にネオンが組み込んであるようなタイプの。これを撮影しているわけだが、やたら遠くから撮っていて、四分の一くらい車の陰になって見えないのだ。渋いところで決定的な部分が見えないアタック25のクイズみたいなものだ。お前ら視察に行ったんならきちんと資料集めて来いよ。であるし、視察なんだからそのスーパーの広報とか取材して来いよ。巨人の星の姉ちゃんかよ。こっそり過ぎる。で、これパクれって話だしw。依頼するなら何でこういうロゴにしているか検証して、自分たちのスーパーのコンセプトを洗い出すか、現状のロゴタイプと照らし合わせてどうしたらいいかを導き出してから、お前ら(僕というかデザイン事務所に)作れ!ってなるはずなのに、こっそり撮ってきた不完全にしか見えないロゴタイプそっくりに作れというのは、やばいんじゃないかと。数年後本当にその店はやばくなり、広報部は会社の派閥争いで負けて有耶無耶になり、会社自体も規模を縮小し、旗艦店だった店も売却、さらに数年後はいくつかあったスーパーも売却。スカッと消えました。視察はこっそりはダメだ、金ももったいない。バンバン遊んでその中から情報収取するとか計画立ててきちんと取材するとか作戦立てなきゃ。

田舎の会社でも会社は会社。やるべきことは小さくてもまじめにきちんとやるべきだねぇ。

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